2015年6月5日金曜日

ジュリアン・アサンジ氏が語るTPPの危険性

WikiLeaksが3月25日にTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の「投資に関する章」(Investment chapter)という機密文章を公開しています。それによれば、この文書はTPP協定は合意に至っても至らなくても4年間は公開されないものとされています。この公開にあたってはJulian Assange氏がこう述べています。

TPPは秘密裏に多国籍企業のための不可解な超国家法廷をつくり、が国家を訴えられるようにした。このシステムは国会と司法の主権に対する挑戦だ。似たような法廷*がすでにまともな環境保護、公的医療、公共交通の採用が脅かされれる例はすでに見られている。

*たぶんウィキペディアの「投資家対国家の紛争解決」項目で書かれているようなもの。





動画はDemocracyNow.orgでインタビューに答えるJulian Assange氏によれば、全部で29の章からなるTPP文章のうちの5章しかTradeに関する部分はなく、「他はインターネットの制約とインターネットサービスプロバイダーがどんな情報を収集しなければならないのかについて。彼らは特定の状況下で企業にそれを渡さないといけないのだ。これは労働に関する規制であり、どんな労働条件が適応されるのか、地域の工業の優遇ができるかどうかの規制、病院医療制度の規制、病院の民営化。本質的には、現代の経済の全ての面が、銀行サービスまでもが、TPPに含まれている」そう。

もし政府か州政府が病院をどこかに建てようとしたとして、もし私立病院がその場所の近くに建っていたとしたらどうなるか?TPPは私立病院を建てた会社に、予想される将来の損益を理由に政府を訴える権利を与えるのです。これは予想される将来の利益ですよ。これは実際に被った損益を補うというものではない、将来に対しての訴えなのです。これに似たような契約から、政府が自由貿易合意を理由に訴えられた例から我々も知っている通り、これは環境や医療規制の法律に対して萎縮効果を作り出します。例えば、トーゴ、オーストラリア、ウルグアイは、タバコのパッケージに健康被害警告を導入しようとしてフィリップモリス率いるタバコ会社から訴えられています。*

*詳細はウィキペディアの「投資家対国家の紛争解決 3.7.1 Philip Morris事件」に書かれている。

でもこれは「会社が国を訴えられるようにする」というだけのシンプルなものではないようで、ここでそれが可能になるのは巨大な国際企業だけだとAssange氏は語っています。


Secret Trans-Pacific Partnership Agreement (TPP) - Investment Chapter [WikiLeaks], Julian Assange on the Trans-Pacific Partnership: Secretive Deal Isn’t About Trade, But Corporate Control [DemocracyNow.org]

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2014年12月3日水曜日

ウクライナの原発で事故が起き、原子炉が停止

Telegraphの12月3日の記事によればウクライナの首相が、ザポリージャ(Zaporizhia)の原子力発電所が11月28日の事故の後停止し、発電をやめていると発表したそう。ウクライナは電力の半分を原発に頼っているという。

フィンランドの知り合いの読んだニュースによればそれは変圧器関連の事故によるもの。一応安全面では問題がないということだが。


Accident at Ukraine nuclear plant forces reactor shutdown [via Telegraph]

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2014年11月4日火曜日

ロシア:アップルCEOティム・クックのカミングアウトで、ジョブズ記念モニュメントが撤去される-動画あり

アップルの創設者スティーブ・ジョブズさんのメモリアルとして、2013年にロシアのサンクトペテルブルク大学の庭に設置された2メートルのiPhone型モニュメント。10月31日にそのモニュメントが、アップルCEOティム・クックさんが自らを同性愛者だとカミングアウトしたことを受けて撤去されました。





撤去したのはメモリアルを設置したZEFS(またの名をWest European Financial Union)という、不動産、建築、広告業界の会社などによる企業グループ。ZEFSは撤去に関してロシアの所謂「ゲイ・プロパガンダ」法に言及しているそうです。


Steve Jobsin muistomerkki purettiin Pietarissa homopropagandana – video YLE

Russian memorial to Apple founder dismantled after CEO comes out [via Reuters]


(abcxyz)

2014年10月8日水曜日

「ヘラクレスの功業」をプーチンで描き直した展覧会でプーチンの誕生日を祝おう



BBCによればヘーラクレースの12の功業のヘラクレスを、ロシアの大統領ウラジーミル・プーチンに置き換えた絵画の展示がロシアでなされているようです。これは10月7日が誕生日のプーチンの誕生日に合わせたもので、展示をしているのは「ウラジーミル・プーチン・サポートグループ」なる人達だそう。



ただヘラクレスをプーチンに置き換えただけではなく、ヘラクレスが戦ったヒドラの頭を、ウクライナ問題でロシアが新ロシア派に武器提供をしたとしてロシアに対して経済制裁などをした国々に(もちろん日本も)例えてたりしています。西洋がシリアに(戦闘機で)軍事介入をするのをプーチンが(弓矢で)止めようとする姿や、ソチ・オリンピックをテーマにしたものも。

アーティストが誰なのかは不明なんだそう。それに加えて、ここまで政治的かつ茶化した感じのある作品だと、本気でプーチンをサポートしている団体によるものなのか、政治風刺画の展示なのかわかりませんね。真相はどうなんでしょう?


In pictures: The 12 Labours of... Putin [via BBC]

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2014年8月12日火曜日

コミカルな演技で知られる米俳優ロビン・ウィリアムスさん死去。死因は自殺か。

米俳優のロビン・ウィリアムスさんが自宅でなくなっていたそうだ。死因は窒息で、自殺と見られている。63歳。

1987年の映画『グッドモーニング、ベトナム』、1991年の『フィッシャー・キング』、1993年『ミセス・ダウト』ではどれもゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞。1997年の『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』ではアカデミー賞助演男優賞受賞。シリアスな作品にも、コミカルさのある役柄/演技で見るものを楽しませてきたいい俳優だった。


厳しい学校にやってきた型破りな先生を演じた、感動の学園モノ『今を生きる』






すごろくが大変な冒険になってしまう子供からおとなまで楽しめる『ジュマンジ』





まだ子供なのに体はおじさん、そんな主人公ジャックをコミカルに可愛らしく演じた『ジャック』






生きて意思を持ったスライムを発明しちゃったおかしな天才博士(と可愛らしいロボットウィーボ)の話『フラバー』






笑いを通じ患者を治そうとする実在の医師を演じた『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』






個人的にはアイザック・アシモフ原作の映画『アンドリューNDR114』の、人間に近づこうと努力をする主人公/ロボットも好きだった。






「交通事故で死亡し天国へ行った主人公(ロビン・ウィリアムス)が、後追い自殺し地獄へと行った妻を救う」という筋書きの映画『奇蹟の輝き』にも出演していた。






これまでロビン・ウィリアムスさんは「深刻な鬱と戦っていた」そうだ。以前はコカインや飲酒の問題も持っていたウィリアムスさん。これまで20年間はお酒を飲まないようにしてきたというが、今年7月にはこれまでの禁酒への努力を今後も一層強くするためにリハビリプログラムに参加していたとLA Timesが伝えている。

もしかしたらそのリハビリプログラムへの参加も、鬱が辛くなってお酒に手が出そうになったからなのかもしれない。コメディアンには鬱の人が多いと聞くが、日本人にもまた鬱が多いだろうし、もしかしたら鬱についての知識も不足しているかもしれない。(「日本には鬱が少ない」という研究結果 via NAVERまとめ もあるが、そもそも鬱に関して認知がなされておらず、病院に行かないために診断がなされなければ統計に載らないだろうし、もしかしたら「depression」と「鬱」もしくは「うつ病」の定義が違う可能性もある。ちゃんと元の統計を読んでないのでなんとも言えないが。)

ロビン・ウィリアムスのご冥福を祈ると共に、鬱に関してより認知度が広まればとも願う。


[via BBC]

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2014年5月13日火曜日

『エイリアン』のH.R.ギーガーさん74歳で亡くなる。死因は転倒が原因。

スイスのアーティストで、映画『エイリアン』や『スピーシーズ 種の起源』、日本映画の『帝都物語』などのクリーチャーデザインなどでもよく知られるH.R.ギーガーさんが、74歳にしてお亡くなりになられました。

亡くなられた場所はチューリッヒの病院で、転倒による怪我が原因となって亡くなられたとのことです。



ゲームでは『ダークシード』、音楽会ではKornのマイクスタンドなどのデザインもされていましたね。


映画『エイリアン』のビッグチャップのデザインはいま見ても艶かしさと恐ろしさを併せ持つ、不思議な魅力に満ちたデザインです。






でもやっぱりギーガーさんの作品の本当の魅力は彼の描き出すダークな絵画でしょう。彼自身が見た悪夢からインスパイアされたという、エロティックでグロテスクな、悪夢の世界。「『エイリアン』のデザインは好きだけど、まだギーガーの絵は見たこと無い」という方にはぜひご覧頂きたいです。

画集もたくさん出ていますが、映画『エイリアン』ファンの方にはこちらがおすすめ。


アイコンシリーズは画集というよりは画録といった感じで、本自体のサイズは小さいものの場所は取らず沢山の作品が載っていてお勧めです。


こちらもおすすめ。


攻略サイト見ないと先に進めることができなかったという思い出の詰まったゲーム『ダークシード』。懐かしいなぁ。



ご冥福をお祈りします。
‘Alien’ creator H.R. Giger is dead [via SWI]

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2014年4月5日土曜日

元アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュ・ジュニアのヘタウマ絵画展

米ダラスにある「George W Bush Presidential Library and Museum」(第41代と43代米国大統領を務めたジョージ・ブッシュ親子の博物館みたいなの)にて、ジョージ・W・ブッシュ・ジュニア元大統領の描いた各国のリーダーたちの肖像画展が開かれているようです。入場料は16ドル、日本円にして約1700円。あまり写実的とは言えないものの、上手く特徴を捉えていて、ひと目で「あー、これはプーチン!あれはトニー・ブレア!」と判る味のある(ヘタウマとも言う?)絵画展となっています。

気になる絵画はBBC Newsの記事をどうぞ。ブッシュ元大統領は、以前にも自らがバスタブに浸かる様を一人称視点で描いたヌード自画像なんかも描いていることでも有名です。


George W Bush exhibits his paintings of world leaders [via BBC News]

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